れぐるすの丘

読書感想文

アジャイルなチームをつくる ふりかえりガイドブック を読みました

以前「チームに変化をもたらそう」というエントリを書いたが、手っ取り早く変化を作り出すのに新しいふりかえりのアクティビティを導入することはシンプルで強力な手段だと思ったので、なにかヒントをもらうために読んでみた。

タイトルの通りふりかえりという会議の意義・始め方・手法や、いくつかのアふりかえりクティビティがわかりやすく紹介されている。また、とあるチームのふりかえりによる改善プロセスが漫画によって描かれているので親しみやすい。
「ふりかえりって何」「始めたいけど何から始めればいいのかわからない」といったところから、「改めてふりかえりについて学び直したい」「組織にふりかえりの分化を広めたい」といったニーズまでカバーしているので、普段のふりかえりの前に軽く読みなおしたりするのも良さそうだ。

アジャイルなふりかえりの書籍としては “アジャイルレトロスペクティブズ” が有名だが、こちらはちょっと慣れた人たち向けなような気がする。以前読んだがだいぶ忘れてきているのでまた読み直そう。


個人的な意見ではあるが、職種を問わずチームとして活動する組織であればふりかえりを導入する価値があると思う。

会社という組織に属している以上、利益を出すための定量的な指標によって行動することが求められる。数値としての KPI にとらわれてしまいがちだが、一方で組織に属するということは必ず人間関係が発生する。これは定量的には表すことができないはずだ。

ふりかえりによって、人間関係やコミュニケーションといった定性的な側面にフォーカスできる場が設けられるので、無駄でしかない人間関係の問題やコミュニケーションエラーを未然に防ぐことができる。「すべての悩みは対人関係の悩みである」とアドラー心理学でも述べられているように、良好な人間関係によってパフォーマンスが上がるのは言うまでもない。

などとふりかえり信者のようなことを言っておきながら、かくいう自分もチームのふりかえりに若干マンネリを感じていたので、本書を読むことで改めてふりかえりの目的や意義を再確認しチームを見直す機会になった。