れぐるすの丘

読書感想文

チームトポロジーを読みました

「チームトポロジー」といわれても、どうやらそういう本があるらしいくらいの認識だったが、 今回実際に読んでみて、現在の組織に関する課題やあるべき姿について改めて一考する機会を持てた気がするので紹介したい。

きっかけは、以前、InnerSource Commons の主催する「DevOps組織論から学ぶ組織間連携のあり方とは?」というイベントで、チームトポロジーについての説明を見たことに始まる。 現代の組織が抱える課題と、それを解決するためのチームトポロジーのメカニズムについて非常にわかりやすく説明されており、今自分が感じているぼんやりとした課題についてまさに言い得て妙であった。 特にチームの認知負荷に対して問題があると感じていたものの、何がどう負荷になっているのか現状を把握できていなかった。
なので、チームトポロジーに対する理解を深めて現状を知り、組織の環境を良くしていく方法について知りたいと思った。

本イベントのアーカイブYouTube にアップロードされているので、チームトポロジーについて知りたいという方はぜひ見てほしい。


www.youtube.com

チームトポロジーとは

現代のソフトウェア集約型企業における組織デザインのモデルであり、開発チームやビジネスのパフォーマンスを向上するため

  • コンウェイの法則
  • 認知負荷の制限
  • チームファースト思考

に重点を置き、これらの実現のために4つのチームモデルと3つのコラボレーションというチームの関係性を整理した概念とメカニズムを提供するものである。

詳しくは上述した資料を参照してもらうのが良いと思う。

感想

率直な感想としては、結構難しい印象だった。自分が組織論・組織デザインなどの分野についての基礎知識がほとんどなかったので、読み進めて理解するのに時間がかかったうえ、1周読んだだけでは20%も理解できなかった気がする。 特に概念的なものに対する適切な日本語訳が無いため必然的に横文字が多くなり、仕方ない部分ではあるが内容が入ってこない部分が多々あった。これは自分の読解力の問題かもしれない。。
その後読書メモを作成する上で何回か読み直し + InnerSource Commons でのセッションを見直しながらようやくある程度理解できたなという感じ。

また、いくつかケーススタディが取り上げられていたが、日本の企業カルチャーと乖離している部分が多く、今の組織や JTC ではそのまま適用するのは厳しそうという印象を受けた。

一方で、チームファースト思考における認知負荷をもとにした責任範囲の制限、チームが扱うドメインの種類の制限などの内容に対してはかなり参考になった。

  • 現状チームが抱えている認知負荷にどのようなものがあるのか
  • それらの認知負荷が何に該当するのか
  • チームが持つドメインの複雑度は何に分類されるのか

を認識することが重要だと感じた。

今まではなんとなく「認知不可が高いな」と感じていたものの、それを言語化するのが難しく実態が見えていなかったが、チームトポロジーを読んでこのあたりが明確になった気がする。

ただの一般社員がいきなり組織構造を変えようとするのは無理があるので、チームトポロジーの考えを共有しすることで各チームや組織が持つ認知負荷を明確にし、ドメインの適切な状態を考えるきっかけを作り出せたら良さそうだ。