れぐるすの丘

読書感想文

人を動かす を読みました

気づいたら会社での年次も上がり部下も増えてきた。自分のことだけ考えていればよかった時期から、チームや組織の視点で仕事に向き合わなければならなくなってきた。

自分は以前から「仲良い人と仕事をしたい」派だったので、良い関係を築けるようにしてきたつもりである。しかし年次と評価が上がってくると、ただ仲が良いだけではダメで、チームの成果やリーダーシップを求められるようになる。学生時代は「人の上に立つキャラじゃない」といわば責任逃れをすることが多かったが、不思議なもので、やっぱやらなきゃダメだよなぁ…という感覚が日に日に大きくなってきた。年齢とか立場とかによるところも大きいだろう。
いろいろ試行錯誤していたところ「サーバントリーダーシップ」という言葉を知った。これは自分に合っているなと思った一方で、ただ優しいだけではなく、メンバーを動かす関係性を持ち合わせていなければならない、ということも学んだ。そこでまずは人との関係性について述べられている自己啓発書の金字塔である本書を読むことにした次第である。

本書は自己啓発ビジネス書の原点とも言うべき本であり、様々な成功者のエピソードから、人が生きていくうえで重要な人間関係の振る舞い方を説いている。

内容は言われてみればその通りと思うものばかりであるが、実際にできているか?と言われると難しいものばかりだった。とはいえ意外とできてるじゃんというものもあった。一方「自分語りをせずに他人の話を誠実に聞きましょう」などは耳が痛かった。ですよねー……と自分に何が足りていないのかを改めて認識するいいきっかけになった。

意外だったのは、読む前は THE ビジネス書というイメージが強かったが、プライベートや家庭における人間関係や大切な人との接し方について気付かされることが多かったということである。特に「父は忘れる」というエピソードが印象的だった。家庭こそ人との関係性が重要なはずなのに、おざなりにされているというのは本当にその通りである。
今日家に帰ったら「いつもありがとう」とやにわに日頃の感謝を伝えてみてはどうだろう。